「は? 何だお前は!?」
「――邪魔をするな!!」
一団の前に立った清空に向かって、彦一と与平が叫んだのは無理もないところだろう。
ただでさえ急を要する状況である。
それなのに、ぶつかって動きを止められてしまっただけでなく、再び診療所にむかって緊急で出発しようとしているのを、この浴衣を着た若者は制止してきたのだ。
見たところ、医者でも何でも無さそうである。
現代の医者が白衣をトレードマークとしているのと同様、この時代の医者にも決まったような格好というものは存在していた。
服装でいえば、通常の着物の上に礼服の一種である『十徳』という上着を身に付けているのが常であったし、髪型にしたところで総髪にして後ろで束ねる『束髪』という髪型や、僧侶が医者をやっていた時代の名残でツルツルのスキンヘッド――いわゆる『剃髪』にしているかのどちらかである。
彦一たちを呼び止めた若者が着ているのは、藍染めの浴衣のみ、髪型も伸ばし放題の髪を油で固めるわけでもなく、クセっ毛では無いストレートな髪質のおかげでボサボサという風には見えないが――それでも手入れはされていないことは一目瞭然である。
つまり、どこからどう見ても医者には到底見えない様相である。
「――邪魔をするな!!」
一団の前に立った清空に向かって、彦一と与平が叫んだのは無理もないところだろう。
ただでさえ急を要する状況である。
それなのに、ぶつかって動きを止められてしまっただけでなく、再び診療所にむかって緊急で出発しようとしているのを、この浴衣を着た若者は制止してきたのだ。
見たところ、医者でも何でも無さそうである。
現代の医者が白衣をトレードマークとしているのと同様、この時代の医者にも決まったような格好というものは存在していた。
服装でいえば、通常の着物の上に礼服の一種である『十徳』という上着を身に付けているのが常であったし、髪型にしたところで総髪にして後ろで束ねる『束髪』という髪型や、僧侶が医者をやっていた時代の名残でツルツルのスキンヘッド――いわゆる『剃髪』にしているかのどちらかである。
彦一たちを呼び止めた若者が着ているのは、藍染めの浴衣のみ、髪型も伸ばし放題の髪を油で固めるわけでもなく、クセっ毛では無いストレートな髪質のおかげでボサボサという風には見えないが――それでも手入れはされていないことは一目瞭然である。
つまり、どこからどう見ても医者には到底見えない様相である。
