「俺は…ほら、先生だから。年上に憧れる年頃なんじゃねーの?」


…例え年上じゃなくても大人気だと思うけど。


「それこそ、よく聞きますよ。法師山先生って本当にかっこいいよね、しかも優しいし面白いし授業分かりやすいし、言うこと無い!周りの男子が幼く見えるわー!って。」


「…やけに細かく覚えてんなぁ(笑)」


先生は完全に苦笑い。


「そりゃあ、同じような事を色んな人に何回も聞かされてきましたんで。」


「で?お前はどうなの?」


「……え?」


食べ終わった先生が、肘をついて顔を覗き込むように目を合わせてきた。


その仕草が妙に色っぽくて、少しドキッとしてしまう。


「俺の事、お前もそんな風に思ってくれてんの?」


「…そりゃあもちろん、一般的にはかっこいいんじゃないですか?」


「一般的な意見じゃなくて、俺は春野がどう思ってんのかが知りたいんだけど。」


…なんか、今日の先生…変じゃない?


いつもより…なんというか…意味ありげな発言が多いというか。


「なぁ、早く言えよ。俺の事、どう思ってんの?」


気が付くと、テーブルの向かい側に座っていたはずの先生が目の前に移動してきていた。