「おいおい、またボーっとしてんぞ。マジで大丈夫か?」


「…すみません、なんでもないです。」


先生は、本当かなぁと苦笑いしながらご飯を食べる手を進める。


「そういやお前は?彼氏とかいねぇの?」


突拍子もない質問。


「どうしたんですか、急に。」


「いや、もしいたら教師とはいえ、彼氏に悪いなと思って。って、今更か。」


「今更すぎですよ(笑)。それに、心配しなくても彼氏なんていないんで。」


「ふぅん…なんか意外。」


言葉通り意外そうな顔をする先生。


「そうですか?確かによく言われますけど…。」


「だろ?でも彼氏いないってったって、作ろうと思えばすぐできんじゃねぇの?」


「できませんよ。できてたらとっくに作ってますって。」


溜め息混じりに言う。


「でも、春野は…隠れファン多いだろ。」


「…慰めてもらわなくて大丈夫です。返って虚しくなるだけなんで。」


「そんなんじゃねぇよ。俺、結構聞くけどなぁ…春野って可愛いよなーって言われてんの。」


そんなの、私は聞いた事ないけど。


「へぇ。」


「その顔、信じてねぇだろ。本当だって!」


「仮に本当でも、先生ほどじゃないですよ。」