「糸さん!!
ダメです!!!」

僕は糸さんの動きを止めようと、後ろから糸さんを抱きしめて、離さない。

「離して下さい、斗!!!
おじさんを助けなきゃ!!!」

僕達の目の前には、草の上で息をせず…全く動かないおじさんが倒れている……。

分かってます……。

僕だって……おじさんを助けたいから……。

でも僕は……君を助けなきゃいけないんです……。

『糸を……止めて欲しい……』

それがおじさんからの頼みで……僕の願いだから……。