空を見上げると、雪など降りそうもない曇り空だった。
「そんなに嫌なら辞めればいいだろ。
あれか、内申点か」
「……あんなの要らない。
あっても大学なんて行きたくないし、勉強したくない。
私、今は何もしたくない」
頭では分かっているのだ。
勉強をして大学に行く方が自分のためになると。
「だったら何のために大学に行くんだよ。
目的が分かっていない時点で時間の無駄だろ」
「私はっ……、」
抗議しようとしたけれど、後が続かなかった。
あまりに図星だった。
目的も知らず、自分の気持ちを誤魔化して「あの大学に行きたい」なんて適当に私は言っていただけで、本当はやりたいことなんてないのに。
「……寒い。帰るか」
「……うん」
「最寄り駅、同じなんだな。
……そりゃそうか」
「どうして?」
「だって」
そこで彗の言葉が止まった。
じっと私を見る。


