雪の光



部活は居場所が無いなりにもそれなりに楽しい。


なのに、私は自分の意思などないかのように大人達に強いられるがままに受験へ向かっている。


こんなにやる気がない状態で大学なんか受験したってどこも受かるわけがない。


……あの人は、大学受験についてどう思っているんだろう。


聞きたい。


だけど、あの人のことを私は何一つ知らない。


どこで会えるんだろう。


この前はうざくてうざくて仕方がなかったのに、今は話をしたいと思っている。


身勝手にも程がある。


マスクの中で苦笑いが漏れた。


「侑里、ちょっと来て」


アミが呼びに来た。


あまり良い話では無さそうだから行きたくないけれど、ここで断ったら何を言われるか。


弱い私はアミの後をついて行った。


教室に入ると、今日も私以外の全員が揃っていた。


きっとこの中の序列では私が最下位なんだろう。


私が座ったところで話は始まった。