「おはよ!侑里!」


「……おはよ、千夏」


「やっと冬休みだよー!

しばらくがっつり勉強しないでいいから気楽だよね」


「そうだね」


「侑里はさ、何か予定ないの?

彼氏作るとか」


「んー、ないかな。

私千夏みたいに可愛くないから彼氏なんて」


笑って席を立つと、がっしりと腕を掴まれた。


意外と強い。


真顔で千夏が私を見つめる。


「何言ってんの!

侑里、可愛いよ!

性格だっていいし、見た目もいいし、なんでも出来るから羨ましいよ」


心がすうっと冷えていく。


私はそういう人格を作っているだけで、本当の私はどろどろとした醜い塊なのに。


何も分かっていない。


「……私、そんなに過大評価されるような子じゃないよ。」


千夏の顔が悲しそうになった。


「もっと自分のこと、プラスに考えてみなよ」


後悔が生まれる前に千夏が言い放った。


それから、ぽつりと「羨ましいよ」と。