すがりたいのに、泣きたいのに、叫びたいのに、私は何も出来ない。


言われなくても分かっている。


私は自分の心を自分でがんじ絡めにしている自業自得なやつだから。


「……関係ない、あんたには」


「……ふうん」


「そう、関係ない。

時間がないのに手間取らせちゃってごめんなさい」


もう二度と会わないだろうと私は背を向けて歩き出した。


「あのさあ!

自己主張ちょっとくらいしてもいいんじゃねえの?」


知るか、と死のうとした電車に乗り込んだ。


……誰かに似ているんだよね。


誰だか分からないけれど、知っている。


だから、もう一度会う気がした。


あいつには口が裂けても言えない。


そういえば、名前聞いてない。


なんて言うんだろう。


疲れてしまった私は、ドアに寄りかかりながらいつの間にか眠ってしまった。


夢の中の私は現実とは正反対なほど、自己主張をしていた。