クリスマスが過ぎれば、プロポーズがまるで夢みたいに、年末に向けてひたすら仕事に追われる日々が始まった。

ひろ君も仕事に追われているみたいで、帰ってくると倒れこむように寝てしまう。
あんまり話とか、できてないけど。
それでも、私はご機嫌だった。

それは、クリスマスの次の日のことーーー。

「わぁ、きれいだねぇ! よかったね、菜々美ぃ!」

私の左薬指におさまる指輪に、まるで自分の事のように喜んでくれる結花。

今は、外に出るのは寒いと選んだ社員食堂で、ひろ君からプロポーズしてもらえた事を報告しているところ。

夢じゃないかと、仕事中も何度も指輪を見ては、その存在に頰が緩んだ。