「菜々美、手出して」

ひろ君に言われ、手を差し出す。
そこにポン、と置かれた少し重たくて、小さい箱。

「旅行じゃないけど、北海道に行こう。親に紹介したいんだ」

どういう事?
私の頭には、またクエスチョンマークが飛び交う。

固まっている私を見て、ひろ君はフッと口元を緩めた。

「意味、わかってる?」

そして、チラッと壁に掛けてある時計を見てから私に視線を戻した。

「25日になった。メリークリスマス」

「メリークリスマス・・・?」

ますます頭の中がクエスチョンマークでいっぱいだ。

ひろ君は私の手の中にある小さな箱を開けると、すうっと空気を吸い込んだ。