「よかった! キャンドルの光って、優しくていいよね」

菜々美は嬉しそうに言う。
あ、何か違う。

・・・まぁ、いいか。

「これね、香り付きなんだよー」と嬉しそうにしている菜々美を見ると、顔が自然と緩んだ。

「あ、ねぇ、あの雪だるまってどれぐらいもつのかな」

ふと思い出したように、菜々美が冷蔵庫を指差した。

宅配してもらった雪だるまは、今冷蔵庫の中にある。
冷凍庫の方が長持ちするんだろうけど、残念ながら冷凍庫がいっぱいだったのだ。

「あんまりもたないかもな。冷蔵庫だし」

「残念〜。せっかくの雪だるま・・・」

あまりにも残念そうな菜々美の声に、思わず言ってしまった。

「雪なら、嫌って程見れるよ」