ひろ君が帰ってこない。

あれから、いつも通りふたりでご飯を食べて、ひろ君が買ってきてくれたクリスマスケーキも食べた。

おいしいと評判のお店のケーキは、やっぱりとてもおいしくて。
甘さも控えめだったからか、ひろ君も「ここのは食べれるかも」って言ってたから、来年からはこのお店のケーキを用意しようかな、なんてウキウキしながら後片付けをしていた時だった。

「ちょっとコンビニ行ってくる」

そう言って、普段はあまり持たない、仕事用じゃないカバンを持って家を出ようとするひろ君。
時間はもう、23時近くなっていた。

こんな時間から?

「もう遅いし、明日じゃダメなの?」

まるで、飛び出すように家から出たひろ君。
私の質問に、答えは返ってこなかった。