「最後とか、別れたくないとか。それに、白石がどうとか。どういう事?」

考えていた事じゃない言葉を放ったひろ君に、ビックリしてあふれかけていた涙が止まる。
ひろ君の方を向くと、ひろ君は静かに私の答えを待っていた。

「え・・・? だって、色々怪しかったし、こんな事してくれるなんて・・・。白石さんの事、好きになったから別れようって言われるのかと・・・」

ひろ君は、はぁ、とため息をついて、手で目を覆った。

「何でそうなるんだよ。俺はサプライズしちゃダメなのか」

「ううん、嬉しいよ! ありがとう。でも・・・」

「その先走って暴走する癖、なかなかなおらないな」

ひろ君は、ハハッと笑った。

「でもまぁ、菜々美らしいよ」

言われて、数々の暴走した時の事を思い出す。
今度は恥ずかしくなって、ひろ君から目を逸らした。