その力が強くて痛いよ。

でも、もっと痛い事を経験するであろうこの先の事を考えると、涙がどんどんあふれて流れていく。

「どうした? 俺、なんか嫌な事言った?」

ひろ君は優しい。
3年前のクリスマスに私が押し掛けた時も、優しく受け入れてくれた。

離れたくない。
でも、きっとひろ君の気持ちはもう・・・。

「泣いてちゃわからないからさ。教えて?」

私より背の高いひろ君は、まるで小さな子供にするように腰を屈めて私の目線に合わせてくれた。
ひろ君の目の中に、自分がうつっているのがわかる程、近くにいる。

「ーーーーない・・・」

「ん?」

絞り出した声は小さく、聞き取れなかったらしいひろ君が優しく聞き直してくれる。

冷静になんて、話せなかった。
もう、ダメだーーーー。