インドア派の俺に合わせて、休みの日に外出するという事があまりなかった。
旅行なんて、行った事もない。

同棲してしまうと、相手に会いたくて、デートの為に外出するという事がないから、外で会った回数なんて数える程しかない。
もっとデートしておくべきだったかな。

クリスマスの雰囲気に浮かれる人達を避け、大通りを抜ける。
そこから少し歩けば、菜々美が待つ家だ。

俺は左手に持ったケーキの箱をチラリと確認してから、正面を向いて少し息を吐く。
吐いた息が白くなり、フワッと舞って消えた。

やっぱり、緊張するな。

ギュッと唇を結んでから、菜々美が待つ家へと一歩踏み出した。