あげた視線の先には、時計。

これ、いいかも。

直感でそう思って、店員さんにショーケースから出してもらう。

「こちら、シンプルですが根強い人気がある商品なんですよ」

店員さんが、大事そうに時計を私の手のひらに乗せてくれた。

うん、人気があるのも納得の時計。
ブレスベルトに、黒の文字盤。
白のアワーマークにカレンダー窓まであるけど、スッキリとレイアウトされていて、ひと目で全てが把握できるようになっている。
シンプルさが、格好良さを引き立てていた。

ひろ君のイメージに近い気がする。
ひろ君がこの時計をしているところを見てみたいな。

自然にそう思えた。