「男の子も数人いるんですけど」

それ、合コンってこと!?

ひろ君は・・・。

チラリと様子を伺うと、驚いた顔をしていたが、すぐに笑顔になった。

「そう。俺もまだ仕事が残ってて、今日遅くなりそうだったんだ。菜々美の事、よろしくね」

そう言いながら、抱えた書類の束を片手に持ち直す。

「菜々美、帰る時は連絡して? 迎えに行く」

空いた手でポン、と私の頭に手を乗せた。
そして、軽く「じゃあね」と言って、営業部へと入って行った。

「なんか、ごめん・・・」

結花がうつむいて、落ち込んだ声を出す。

ひろ君、少し驚いたぐらいだったな。
・・・ちょっと寂しいな。

「ううん。私こそ、気を遣わせてごめん」

営業部から聞こえる、白石さんのよく通る声に、思わず耳を塞ぎたい衝動にかられる。
結花は営業部をチラリと見てから、そっと私の手をひいて更衣室へと向かった。