「間に合ってよかったねー! しかし綺麗だったなー!」

はしゃいで弾む、白石さんの声。
胸がチリッと痛んだ。

「彼女にバレないようにしないとねー!」

「そうだな。気をつけるよ」

ひろ君の、聞いた事ないような優しい声に頭が真っ白になった。

どういう事?
なんでそんな優しい声で話してるの?

「お腹空いたなぁ。何か食べて帰る〜?」

聞き取れたのはそこまでだった。
ふたりはそのまま、大通りを歩いて行く。

なんで?
なんでジュエリーショップから一緒に出てくるの?
今からどこに行くの?