何故だろうか。授業を真面目に受けようとしない奴に、可愛いなど、思わないはずなのに、何故だろうか、“かわいい” という4字の平仮名が頭の中から離れようとしない。 …さあ 出かけよう 思い出のあふれる 道を駆け抜け さあ 語り合おう すばらしいぼくらの 夢の世界を… 今度こそはしっかりしないと、と思い、二度目の練習は声量もブレスもフレーズも強弱も一つ一つ意識して歌った。 「自席に戻ってー。全員で歌います」先生の声が教室に響き渡る。 今しがた練習した通り、真剣な態度で歌おうとした。