三人でこんなに長い間
話をしたのは久しぶりだった。

『それで、心咲の好きな人って誰なんだい?』

まぁ、そうなるよね。

「パパはわかっているよね?」

態(わざ)とパパに訊(き)いてみた。

『えぇ、“梦卯”さんですよね?』

やっぱりね。

『うそ!?

本当に気付いてなかったよ(苦笑)』

七歳年上の彼は美卯さんの弟で
月卯さんと友人である柚卯の兄でもある。

かれこれ、八年目の片思い中。

そう言えば、パパが言っていた
“アレ”とは何なんだろう?

「そうだパパ、昨日、
ママとシてる時に言ってた“アレ”って何のこと?」

私の片思いに気付いてなくて
落ち込み気味だったママが
目を見開いて吃驚した表情(かお)をした。

『私達の会話も聞こえていたんですね』

今度は吃驚した表情(かお)から
青ざめた表情(かお)からになった。

『知りたいですか?(クスッ)』

いたずらっ子みたいな
表情のパパが訊いてきた。

「うん!!」

『“アレ”とはですね、
私が作った媚薬のことですよ(ニヤリ)』

パパって天才?

「そんな物まで作れるの?」

そもそも、媚薬って作れるものなの?

『作ったのはあなたが生まれた頃ですから
かれこれ、十八年前ですね。

媚薬は、あまり特別な薬品を
使わなくても作れるんですよ』

パパが上げた媚薬に使う材料は
本当にに身近な物ばかりだった。

[イラクサ]とか[甘草(かんぞう)]とかは
わからなかったけど、
それも材料の一種らしい。

『凌杏、未成年の娘に
なんてとこ教えてるんだい!!』

『媚薬に使われる材料を
教えただけじゃありませんか(笑)

因みに、最初に作った“アレ”は
例の二人に出したものも心綺人に
渡したものもオレンジジュースに
蜂蜜と麝香エキスとスパイスを混ぜたものですよ』

シレッとしたパパの物言いにママは項垂れた。

『ん?

心咲、僕達の会話も
聞こえてたって言ってたよね?』

そうだね、一部始終を見ていたから。

『てことは、僕の台詞も
当然、聞こえてたんだよね……?』

あぁ、ママが訊きたいことはそういうこと(苦笑)

「勿論♬.*゚

ママの甘い声も
パパに請う言葉も
イった時の啼き声もね」

私が笑顔で頷くとママは
その場にしゃがみこんだ。

『心咲は彩月さんの影響で
すっかり腐女子ですね』

パパは楽しそうに笑っている。

『心綺人』

呼ばれてママが顔を上げるとパパがキスをした♡*.+゜

不意打ちのキスに吃驚して
さっきとは違う意味で真っ赤になった。

やっぱり、私達のママは可愛い。

『心咲、もう一人
きょうだい欲しいですか?(ニヤリ)』

パパのいきなりの質問に
一瞬、疑問符が浮かんだけど
すぐに何が言いたいのかわかった(笑)

「そうだね(๑^ ^๑)

今度は妹がいいな」

私達の会話で何かを察したママは
赤かった顔をさらり真っ赤にして
言葉にならない言葉を発した。

『だそうですので、
今夜からはそのつもりで抱きますね(ニヤリ)』

パパは楽しそうな、
ママはあたふたした表情(かお)をした。