種族の異なる2人は。

僕は手を引かれて西の駅へ向かった。

彼女は何故さっき恐れたのか。

それは良く分からなかった。

「レオ、行こう」

彼女は切符を買わずに改札を通った。

勿論そんな事が許される筈も無く、切符売りが追いかけて来た。

「アンタ!何してるんだい!」

「すみません、アリス!ほら、切符を……」

「何故?私ここには切符を使わずに来たのに」

何だって?

切符を、使わずに、国境を?

そんなの出来っこない。

だって【動物以外は国境を自由に渡っては行けない】から。

半人半獣が居ると言うのに、甘い法律だ。

もしかしたら。もしもアリスが……

考えるのは自然と止まった。

激しい雨が降ってきて、その音で頭の中が遮られたから。