種族の異なる2人は。

ある日、彼がいつもの様にノートを書いていた時。

裏口からコンコンとノックの音が聞こえてきた。

「はい、今出ます!」

無理な税を取り立てる役人じゃない事を祈りながら扉を開けると、そこには今まで見た事の無いような美少女が立っていた。

薄い色の長い金髪、綺麗に透き通った翠の瞳。
薄い唇に通った鼻筋、華奢な体つき……

これが、一目惚れであるのか。

「レオさんですか?」彼女は尋ねた。

何故僕の名を知っているのだろう?
でもそんな事気にするのも変だし、普通に受け答えする事にした。

「はい。僕に何か用ですか?」

「はい、私、アリスです。隣のエスポルトから来ました。」

やっぱり綺麗な声だった。
どこか、聞き覚えのある気がした。

「エスポルトって…人外の国じゃないですか……!種族は?」

「戦争をするつもりですか…?」

「種族は!」

彼女の辛そうな顔が心に残る。
僕だってそんな顔をさせたくないのに。
でもこの世じゃそれがマナーなのだ。

「……族、です」

「聞こえませんでした」

「私は、…族です」

「……最後にもう一回」

「……族って言ってるじゃないですか」

本当に聞こえなかったが、これ以上聞いても執拗いだろう。
短くまとめて話すことにした。