いきなりだが
僕は他人が嫌いだ
…訂正しよう、

僕は他人とかかわることが嫌いだ

他人とかかわって何かいいことがあるだろうか?
ただ、いいように利用されて、使えなくなったらすぐ切り捨てられる。

どうせ捨てられるなら最初から一人のほうが楽に決まってるじゃないか。


放課後、僕は、そんなひねくれたことを考えながらぼーっと窓の外を見ていた。
窓の外では運動部の大きなかけ声が聞こえてくる
少し日が傾け始めた教室になぜ僕が残っているかというと
話は今から数時間前にさかのぼる…


僕は昼ご飯を食べ終え、静かに本を読んでいた。

すると急に僕の名前が呼ばれた
「れい君っ!」

顔を上げると僕の机の前に話したことのない女子がいた
「野崎…さん?」

そういうと彼女は喜びながらも驚いたような顔をした
「なんで名前知ってるの?!」

…そりゃ、このクラスにいれば誰でも知ってる
   野崎さくら
彼女はとても明るく、友達も多く、僕とは正反対の
いわば、このクラスのムードメイカーである

「まあいいや!」
彼女は能天気そうな笑顔でこう続けた

「ねえ、れい君、君私と友達にならない?」

一瞬彼女の言った言葉が理解できなかった

僕と彼女が友達?
天と地がひっくり返ってもありえないだろ
僕と彼女じゃ性格が真逆すぎるし
第一、僕は他人とかかわることが嫌いなんだ

などと考えていると彼女が
「あ、私今日先生に呼び出されてるから、放課後、教室でちょっと待ってて!」
と言って席に戻っていった



そして今に至るわけだ

それにしても遅い、もうかれこれ二時間ほど待たされている

っていうかなんで律儀に待っているんだ僕は!!