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 静かに毛布を体にかける。
 今はもう安らかになっている顔を眺める。
 それら全ては、彼女への愛から成り立っているものだった。
「酔衣(すい)...」
 何よりも愛しく、美しく、儚く、尊く、透明な名前を口にする。
 そして、彼女の頬に触れる。
 
 金橋酔衣は、初めて愛した人だった。