ある金曜日。




和真「彩華〜」

「なに?」

りい「あ!和真くん!」

和真「今度の日曜日暇?」

「なんで?」

和真「暇かって聞いてんの、用事あんの?」

「ないけど」

和真「ナイス」

「何」

和真「日曜日サッカーの試合があんだよ」

「で?」

和真「マネージャーが二人とも来れなくてさ、マネージャーの代わりに来てな」

「はぁ?雑用ってこと?」

和真「そ!」

「ふざけんな!行くわけない!」

りい「いく!いくいく!いく!」

和真「りいちゃんも来てね!」

りい「いく!絶対いく!頑張る!」

「待て待て、私は行かんよ」

和真「りいちゃんだけでも来てくれたら助かるよ!」

「りい、がんばれ」

りい「えー、彩華も一緒に行くの!」

「は?だる」

りい「私の為にも!!」

「あーもう...はいはい」

和真「じゃ!よろしく〜!」



りい「やった!嬉しい!」

「嬉しくない、雑用係に呼ばれただけだよ?」

りい「日曜日に和真くんに会えるのは嬉しい!」

「りいの私利私欲に巻き込まないでよ〜」

りい「一人じゃ不安じゃん?」

「何がよww」

りい「和真くんファンに殺される!」

「殺されないわwwww」



そんなこんなで、日曜日にサッカーの試合に行くことになってしまった。


土曜日の夜。


りい『どうしよう〜眠れない〜』

『寝ないと遅れちゃうよ』

りい『サッカーしてる和真くん絶対イケメン』

『和真のどこがいいの?』

りい『え?イケメンだし優しいし』

『いやいや、雑用係頼まれてるからね?』

りい『関係ないもーん♪』

『うん、おやすみ』

りい『あー、待ってよ〜』


うるさいメールの通知を無視して私は眠りについた。



次の日の朝、りいと合流して学校に向かった。


和真「おう!今日はありがとう!よろしく!」

りい「おはよう♪頑張るね♪」


跳ねるような声でりいが会話してる中、私はある事に気付いてしまった。


「ねぇ、和真」

和真「なに?」

「あの子たち」


私が指さした方を見る和真。


和真「ん?あぁ、あのギャラリーね」

りい「和真くんのファン?」

和真「違うよ、手島のファン」

「手島?」

和真「うん、毎週こんな感じ」

「ねぇ待ってよ、それならあの子らにマネージャーさせればよかったじゃん」

和真「いや、あいつらは手島目当てで来てるだけだから、マネージャー頼んだところで何もしてくれないの分かってるから」

りい「手島って誰?」

和真「1年、入部して来たやつ。あ、あそこにいる、手島ー!!!ちょっと来い!」



目が悪かった私は、近くに来るまで分からなかった。

手島と呼ばれて走って来たのはあの子だった。


りい「え!?」

?「あ、0...」

「おい!!!」

?「wwww」

和真「何?知り合い?」

「知らないよ!!!」

?「はじめまして、手島孝輔です。今日は1日よろしくお願いします。」


深々と頭を下げる手島孝輔。


「手島...あの女の子の塊に性格の悪さを伝えたい」

孝輔「手島って呼ばれるより、孝輔って呼ばれた方が嬉しいです!」

「いきなりキャラ変してこないでよ!」

孝輔「別に僕はもともとこのキャラですよ?」

「そんなはずはない!」

孝輔「だって僕、1単語しか喋ったことないですよ?」

「た、確かに」

孝輔「www」

「孝輔もサッカー部なんだ」

孝輔「はい!ところで先輩、名前なんですか?」

りい「私はりさ」

「うん、てか先輩って分かってていじってきてたのね、腹立つわ、そして私には名前聞かないのね、腹立つわ」

孝輔「放送で2年5組〜杉本彩華〜って言われてたじゃないですか」

「記憶力良すぎかよ」

孝輔「一応記憶力には自信があります」

「0点の件は忘れろ」

和真「お前0点取ったのか」

「黙れ!」



こんな感じでサッカーの試合が始まった。



りい「ねえ」

「なにー?」

りい「孝輔くんかっこよくない?」

「んー?まぁ、確かにサッカー上手だね」

りい「ゴール入れてんのほとんど孝輔くんじゃん」

「確かに」

りい「和真くんから乗り換えようかな〜」

「孝輔と和真なら和真の方が絶対的にいい奴」

りい「心配しなくても孝輔くんは取らないよ〜安心して〜ww」

「取るってなにww私が狙ってるみたいな言い方やめてよwww」


そんな会話をしてたら休憩に入った。


孝輔「先輩、ちょっといいですか?」

「私?」

孝輔「はい」

「やだ、むり」

孝輔「話したいことがあるんです」

「ここで言って」

孝輔「ここじゃちょっと...」

「なんで」

孝輔「...」

「...あーもう、わかったわかった」



私は孝輔とジュースを買いに行った。