クラスでは仲が良い友達がいない私だけど、放課後になると唯一の親友、優奈と一緒に過ごすことが多い。

「詩乃、帰ろー!」
「うん」

優奈は、勉強も運動も出来て明るい性格で友達もたくさんいる。そして、とにかく可愛い。
まさに、優等生の鏡のような女の子だ。
大宮君が女の子になったら多分こんな感じだろうなと思う。

「詩乃のクラスは今日なんかあったー?」
「あぁ、うん。今日はね、大宮君がー、」

優奈は私の話をいつもニコニコしながら聞いてくれる。優奈と私は、その日クラスであったことや最近流行りのアイドルグループのこと、色んなことを話しながら帰る。優奈お気に入りのクレープを買って一緒に食べながら2人で帰る放課後は、私も少しは女子高校生っぽくなれてる気がする。

「あ、後ね、その時大宮君がね!」

話の続きを話そうと思ってパッと優奈を見ると、優奈はニヤニヤしながらこっちを見ていた。
何か悪い事を思いついたような、ちょっと意地悪な変な顔。

「な、なに…」
「詩乃、さっきから大宮の話ばっかり」
「それは、今日たまたま大宮君とたくさん話したからで…」
「1週間前から、毎日大宮の話聞いてるんですけどー?」
「うぅ…」
「詩乃さん詩乃さん、もしかして…」

優奈はさっきの100倍意地悪な顔をして私の顔を覗き込んだ。


「大宮のこと好き、とか?」