あのイベントのチケットが
何枚あったのかなんて
見当もつかないけど
きっとこの人は何日もかけて探して
デジカメを返しに来てくれた。
あの日、私が言っていた
写真まで撮ってくれたりして。
リキヤとは違う。優しさが垣間見えた。
くそぉ。彼がリキヤに似てなかったら
こんな気持ちにはならなかったのに。
青葉「勘違いしてたのかもしれません。」
依知「勘違い?」
青葉「あなたの事。色眼鏡で見てました。
リキヤみたいなのに、あまりにも
リキヤと違うから。...あの日
酷い事を言ってしまいました。
水をかけたいとか、ムカつくとか...
本当にすみませんでした。」
依知「別にいいんじゃない?
実際、俺は酷い奴なんだし。」
やっぱり今でも違和感は感じる。
彼には、リキヤのような優しさはない。
でも、どことなく似てる。
憂いを帯びたその表情が。



