3次元の恋~オタクの恋物語~


他の乙ゲーじゃダメだった。
昼間の花園だったから、私は
ここまでどっぷりと乙ゲーに
ハマったのかもしれない。

依知「本当はさ、5まで
作るつもりなかったんだ。
1で、全部そいつの言葉は
使っちまったし、第一、俺に
乙ゲーなんて向いてない。」

青葉「じゃあ、どうして?」

依知「毎年、年に1度
同窓会が開催されるんだよ。
小さい町だから、後で何言われるか
分かんねぇし、親も気まずいだろうなって
一応、俺も毎年参加してた。
1年、また1年時間が経って…もう今では
誰もあいつの話なんかしない。
あいつの後ろにくっついて回ってた
奴でさえ、名前すら出さないんだ。
クラス一の人気者がだぜ?信じらんねぇよ。
何で皆、あいつを忘れてんだよ!って
意地になって、今まであのゲームを
作り続けてきた。もう今じゃすっかり
あいつの姿形すらその中に残せてねぇのに。」