青葉「…いい…場所ですね。」 依知「あんまりいい思い出ないけどな。」 数分間の沈黙の後 百瀬さんは車を停めた。 目の前には綺麗な海が広がっていた。 依知「外の空気でも吸おうぜ。」 青葉「はい。」 堤防の上に座ると潮風を 肺いっぱいに吸い込んだ。 今ではあまり嗅がなくなった 潮風が懐かしかった。 この場所で百瀬さんは生まれ育ち 私の知らない時間を過ごしてきた。 きっと、私以上に懐かしい気持ちを 思い出しているのだろう。 隣に座る百瀬さんは そっと目を閉じ2.3度息を吐いた。