居酒屋の暖簾をくぐる。
やっぱり今日も百瀬さんは
勝手に注文を済ませた。
でも、以前と少し違うのは
私の好みを把握してくれてるからだろう。
頼みたい料理が次々とテーブルを彩った。
2人分のビールが届くと
何も言う事なく飲み始める。
次いで、私もグラスに口をつける。
どんな気持ちの時でさえ
仕事終わりのビールは美味しい。
無言の時間は続き、1杯目のビールを
飲み終え2杯目のビールが届くと
ようやく百瀬さんは口を開いた。
依知「で、あれからその
結婚相手とはどうなったんだよ?」
本当にこの人は遠慮を知らない。
いきなりそんな話題を振るだろうか。



