変わりゆく現実に置いてけぼりにされて
思い煩う事が多くなって。
悩む事が増えて。妄想の世界に逃げられない。
…もう、いっぱいいっぱいだった。
青葉「そう出来なくさせたのは
あなた達じゃないですかっ!!」
突然、声を荒らげた私を見て
百瀬さんは咎めるでもなく
哀れむでもなく、飼ったばかりの
子犬を見つめるような優しい
眼差しのまま言った。
依知「とりあえず付き合えよ。
俺の奢りだから。」
その眼差しとは対象的に
その声色は力強かった。
有無を言わせぬ迫力とでも言うのだろうか。
着いていくしかなかった。
いや、多分。私は着いていきたかった。



