そんな昔の事をよく...覚えてるな。
大高のような人間なら
忘れてしまっても不思議じゃないのに。

てゆーか、何で私が忘れてるんだろう。

大高よりも私の方が覚えてなきゃ
ならないのに。同期と話す事なんて
ほとんどない私が覚えてるべきでしょ。

遥希「何もなくないよ。」

青葉「ん?何が?」

遥希「柿谷は俺に好きなものを
好きって言える喜びを教えてくれた。
だから、多分なってたと思う。
俺がオタクじゃなくても。
柿谷がオタクじゃなくても。
柿谷と俺は友達になってた。」

そんな事を大高が言うもんだから
胸がドキッとして、もしかしたら私は
選択肢を間違えたんじゃないかと思った。

青葉「うん。でも、無意味だよね。
そんな、もしも話なんてさ。」

ああ、私ってゲームの中で愛される
人間には到底なれない人間だ。

自分でも思う。本当に可愛くない。

遥希「だな!...実際、俺ら
オタクだもんな。」

青葉「そうだよ!」

でも、やっぱり大高は大高だ。

そんな私の可愛げのなさなんて
ちっとも気にしてない様子だった。