私の嘘は、キミのせい。










「奈々佳、どうした?なんか、元気ないな」



……う……ん。昨日、綾乃にも言われたんだけどね。

昨日から、その原因は要だってこと、絶対わかってないでしょ。


まあ、わかられても要が困るんだけど。……いや、私もか。


きっと気持ちを知られたら、今まで通りではいられない。それは嫌だ。


……なんて。

気付いてほしい……とか、散々思ってたくせにね。
気付いてほしい、だけど、気付かれたくない。


そんな矛盾を抱えて。


片想いは、ずいぶんと厄介だ。
……失恋が確定してるんだから、私は尚更。



「……なんでもないよ」



作り物の笑顔を貼り付け、私はいつもの噓を吐く。

……もう、これで何回目だろう。



「……うそつき」



要は、ボソッとそう言った。


なんで気付いちゃうかなぁ。
……もっと好きになっちゃうじゃん。


うん、噓つきだよ。私は。
……でもいいんだ、これで。

だって、私が「好き」って言ったら、要を困らせるもん。