「奈々佳、私たちが、奈々佳のことで悩んだりするのは、確かに大変かもしれないけど、迷惑とは限らないんだよ?私はむしろ、頼ってもらえて嬉しいの」
「俺も同感。大切だから悩むんだろ?悩むほど大切な人に頼られて、嬉しくないわけがないし、何なら迷惑だってかけてほしい。逆に奈々佳は、迷惑かけられて嫌だって思うのか?」
そんなこと思わない。思うわけない。
私だって、綾乃とか大輝が悩んでたら、一緒に悩みたい。
……だけど、そんな簡単には消えないからさ。
「……ごめん、二人とも。……私、勝手に決めつけてた……」
噓つきな私を、許してね。
ちゃんと“わかったフリ”をして、安心させるから。
「わかったんならいいよ。で、わかったんなら、もっと泣いてもいいんだよ?」
泣く……、か……。
できることなら、泣きたくない。
余計に悲しい気持ちになるから。
でも、要のことになると───
「よしよし。奈々佳はえらいよ」
そんな私の小さな意地も、いとも簡単に壊れてしまうんだ。



