私の嘘は、キミのせい。




そんな二人を笑っていると、綾乃はおずおずと尋ねてくる。



「奈々佳はさ、迷惑かけるのが嫌とか思ってる?」
「だって、嫌じゃん。誰かが、私のせいで悩んだり、大変な思いするの」



“私のせいで”なんて、自意識過剰かもしれないけど、もし本当にそうなら、私は消えてしまいたいような気持ちになる。


辛い思いさせるのは……嫌。

というよりきっと、それが面倒に思われて嫌われて、離れて行かれるのが……嫌。

こんな時も私は、結局は自分のことしか考えてない。

綾乃と大輝は、こんなにも心配してくれてるというのに。



「奈々佳。私と大輝が奈々佳のことで迷惑するのが、嫌なの?」
「……そうだよ」



二人がいなくなったら、私はどうしたらいいかわからない。

大切な人ほど、迷惑はかけたくない。
大切な人には、嫌われたくないもん。

どうしても、臆病になっちゃうんだよ。
それくらい、大切なんだよ。