「柊、保育園の時の・・・」

「そうだよ。俺はあの家族から娘を奪ったのに、親御さんは恨むどころか、葉月の事、頼むって言ってくれたんだ」

「でも柊には進学をしてもらいたいっていってるでしょう?」

「それは親父もお袋も、いい大学入って就職して養った分返せっていったじゃないか?」

「それは・・・」

お袋が言い換えないからか担任が『わかりました。家庭の状況が・・・、後は、息子さんと面談したいと思います』って締めくくった。

「これで終わります」

ガタッと立ち上がり廊下へ出ると『柊の彼女に会わせて欲しいから、今日家に連れて来て』と言った。

「わかった。葉月に言ってみる」

下駄箱でお袋を見送って、別教室で待ってる葉月の元に急いだ。