三者面談の日。

昇降口で待った。

カツカツ。

ヒールを鳴らしながら歩いてきたお袋。

「柊」

「お袋」

お袋を連れて教室へ向かう。

俺の前は祐司だったから、教室に着くと祐司が出て来た。

「有沢、入れ」

ガラガラ。

ドアを閉め、椅子に座った。

「三者面談を始めたいと思います。

それで進路希望を提出させましたところ、進学ではなく就職と希望されていますが、親御さんの考えは・・・。

教師側とすれば、十分大学を狙えます」

「はい、私達は大学に進学して欲しいと願っています」

「有沢、親御さんもおしゃっている。

どうしてだ?」

「俺は葉月を早く養いたい。

あの家をでたいんだ・・・」

「どういうことだ?」