「私の事、構わないでほしい。千紘にとって無意識の行動が、相手を振り回すって事、わかった方がいいと思う」
跪いたまま千紘が綺麗な顔で見上げてくるので、視界に入れないようにしていると、両手を掴まれびくりとする。
「そういうのだってばっ」
振り払おうとしても、千紘はそれをさせてくれなかった。
「無意識で行動してることなんて無いよ。全部、聖が俺を好きになればいいと思ってやってる」
仕事の時くらいにしか見せない真剣な視線が私の思考を奪っていくようで、怖くなって首を振る。
「何でそんなことするの。女は全員自分の事好きになるとでも思ってるの?」
「好きな人に好きになってもらおうとする事の何が悪い?聖にしかしないよ」
「千紘は昔の事を引きずってるだけだよ。だから、何となく気になって、錯覚を起こしてる」
「いい加減、怒るよ」
低くなった声にびくりとすると、千紘は息を吐くと共に沈んだような表情を浮かべた。

