フルール・マリエ



フルール・マリエの定休日は水曜日で、私の休日の始まりは10時を過ぎた起床と朝昼兼用の食事からだ。

後はひたすら体を休めるために休日を活用する。

と、言ってもテレビを見たり携帯をいじったり、母親に詰られながらもゴロゴロと過ごすという日を送るのみ。

仕事がなかなかの激務であるので、貴重な休日は私の安らかなひと時だ。

リビングでお昼の情報番組を見ていると、滅多に鳴らない着信音がテーブルの上で鳴り出した。

画面には真田支配人、と表示されている。

休日に電話してくるのだろうから、余程のことがあったのかもしれないと、慌てて携帯を耳に当てる。

『ああ、聖?今から外に出てこれない?』

砕けた言葉が耳に飛び込んで来て、愕然とした。

千紘の方だったかっ。

仕事だと思って焦った気持ちが怒りと共に萎えて、ソファに寝転がる。

「私、千紘に番号教えてないんだけど」

『部下の連絡先くらい知ってるに決まってるだろ』

「そういうの、職権濫用って言うの」

『他の部下には節度ある行動をとっているよ。聖だから権利も最大限に利用するんだよ』

どういう意味で言ってるんだ、この男。

気を持たせるような言い方が、私の反応を窺っているようで腹が立つ。