フルール・マリエ



ドレスは他店舗から持って来られるものも含めて、多くの種類が存在し、似たようなドレスも多くある。

ドレスを見て回るだけでもお客様は疲れてしてしまうだろうし、更にそのドレスを試着して1つに絞るなんて、ドレス選びが苦痛に感じてしまうのではないか。

そう考えて、ドレスコーディネーターがお客様の雰囲気やご要望をお伺いして、お客様と共にぴったりのドレスを選んでいくのだ。

頭の中にあるドレスの映像を思い浮かべ、神崎様に良く似合いそうなコーラルピンクにフリルスカートは、正にプリンセスのような気分になれるはずだ。


打ち合わせスペースに戻ると、新郎が座っていたところが空席になっていた。

「あ、仕事の電話が入って、今、外に出てます」

「そうでしたか。お忙しいんですね」

「そうなんです。今日もこの打ち合わせが終わったら、そのまま仕事に行かなきゃいけなくて」

さっきの書類には新郎の職業はIT系の会社勤めと記載されていたことを思い出す。

きちんとスーツを着て来店したのも、これから仕事に向かうためだったのか。

「先に試着して、新郎様を驚かせましょうか」

「わぁ、素敵」

持ってきたドレスを目の前に掲げると、新婦は思わずといった様子で立ち上がり、感嘆の声をあげた。