フルール・マリエ



「では、薔薇のドレスは会場の雰囲気にどうでしょう?」

「うーん、統一感はありそう。植物の中に花があるから。そうなったら会場も赤っぽい花を置くのかな?イエローより写真はあんまり映えないかもなぁ」

「イエローは会場と写真映えはしますが、お友達には新婦様らしい、と思われてしまう。薔薇のドレスはお友達は驚くでしょうが、会場と写真には馴染んでしまうかもしれない?」

「映えるの重視か、サプライズ重視か、ってことですかー」

私が絶対こちらにした方がいいです!と言うことはできない。

新婦が何を重視してドレスを決めているのかはコーディネーターが容易に測れないから、見た目だけで似合う方を提案するのは新婦の要望に合っていない可能性もある。

誘導もしてはならないので、悩んでいるドレスを限りなく近い判断基準を提示して判断してもらうしかない。

答えは必ず新婦の中にあるはずだからだ。

イエローのドレスを着た新婦が試着室を出ると、新郎は上から下まで視線を走らせて唸った。

「こっちは可愛い系だよね。ひらひらしてて。王道ドレスって感じ。形としてはこっちだなぁ」

新郎はそう言いつつも、「でもあっちもなぁ」と壁に掛かっている薔薇のドレスにも視線を向ける。