フルール・マリエ



「それに、当日の新婦様を見たら、頭で考える間も無く自然と言葉が出てしまうと思いますよ」

「当日、ですか」

「当日は新婦様に合わせて衣装をサイズチェンジし、ベールやティアラ、アクセサリー、ヘアメイク、ブーケ。それに照明や背景。全てが揃うのは当日のたった1日だけ。当日が1番新婦様の輝く姿を見られるんです。その日の新婦様の輝きは信じられないほどに眩しいですよ。何度も見た衣装なのか、と思うほどに」

自身が選んだお気に入りの物に囲まれた女性は美しいオーラを放ち、凛としている。

その姿を見ると、魔法は本当にあるんだな、と感動してしまう。

そんな感動の前では何かを考える間も無く、言葉が自然と漏れ出てしまうものだ。

「新婦様が1番自分の姿を見て頂きたいのは新郎様です。是非、新婦様の願いを叶えて頂けませんか?」

訊ねると、新郎はさっきよりも穏やかな雰囲気で頷いてくれた。