「旦那さん、なんて言ったんですか?」
「不思議そうな顔してた。だって、責任感のあるかっこいい君が好きなんだから仕方ないだろう、って」
「あぁ、今キュンってしましたぁ」
「私もしたわよ。もうねぇ、この人しかいないって思った瞬間よ」
「あ、それで、ブーケはイメージ通りだったんですか?」
「ちょっと違ったんだけどね。素敵!って言ったわ。で、後日こっそり夫にわからない範囲でプランナーさんを通して要望を伝えたんだけどね。これは絶対墓まで持っていく秘密だから」
そんなオチさえも微笑ましい。
「結婚式って大きなイベントでしょう?新郎新婦で初めての共同作業ってこれなんじゃいかと思うわ。大きなイベントを成し遂げようとする時って、人の本質が見えるような気がするの」
コーヒーをちょうど飲み終えたところで、閉店作業に取り掛かるよう声がかけられた。
「たくさんの人間の中からお互いが認め合った2人だもの。心配することないわ。私達はお客様を1番に考えて、幸せを感じられるドレスを寄り添って選んでいくことを真剣に考ればいいのよ。それが2人の幸せに繋がるはずよ。コーディネーターが不安な顔しちゃダメだからね」
そんなに不安な顔をしていたのだろうか。
最後に釘を刺され、顔を引き締めると、冴羽さんはよし、っと大きく頷いた。

