フルール・マリエ



「朝見さん。お客様がお見えになってます。笹木様です」

受付係に声をかけられ、久しぶりに聞く名前に驚いた。

入口には笹木様夫婦と奥さんに抱かれた女の子の3人が待っていた。

「その節はありがとうございました」

丁寧に夫婦が頭を下げると、女の子はきょとんとした顔でこちらをじっと見つめていた。

「お腹にいた赤ちゃんですか?もうこんなに大きくなったんですね」

マタニティウエディングを行なった笹木様夫婦で、春先に式を挙げたはずだった。

「着たいドレスを着ることができて、本当に思い出になる式でした。子供が産まれたら一度お礼に、と思ってたんですけど時間が空いてしまいました」

「お礼なんて、そんな。ありがとうございます。ご納得のいくドレスを見つけられて、本当に良かったです」