「聖。メリークリスマス」
後ろから、千紘の手に乗せられた細長い赤い箱が私の手元に差し出される。
「え、うそ、プレゼント?」
首を後ろに回して見上げると、柔らかい笑顔が思ったよりも近くにあって、思わず顔を正面に戻す。
「貰えない。私、用意してないよ」
「貰ってよ。聖に似合うと思って選んだんだから」
私はそっと箱を受け取って、ありがとう、と胸に抱きしめた。
「開けてみて」
リボンを解いて箱を開けると、金属ベルトで細身の時計が収められていた。
丸い文字盤には数字の代わりに煌めく石が付いていて美しかった。
後ろから伸びて来た千紘の手が箱から時計を抜き取り、私の左手首を掴んで、優しい手つきで腕時計をはめてくれる。
「うん。やっぱり、似合う」
時計を付けた私の手首を見て、満足そうに言った。

