「イルミネーション見に行く?」
「あ、行きたい」
ラーメン屋を後にして車を発進させると、千紘がクリスマスらしいイベントを提案してくれた。
しばらく車を走らせて行くと、だんだんと街から離れて行っているようにしか見えなかった。
更には暗がりの山に登り始めたのでいよいよ不安になって千紘にどこに行くのか訊くと、内緒だと言う。
山越えが必要なイルミネーションスポットなの?と思っていると、山を登り切ったあたりの駐車場に車を停めた。
意外と他にも車が停まっていたが、暗がりで先もよく見えない。
千紘が降りたので、つられて降りると、危ないから、と千紘が手を引いた。
足元は舗装されていないようで、草や砂利が転がっているような感覚があった。
少し歩いて辿り着いたのは、山の上に佇む電飾輝く白銀の大きなツリーだった。
「何で、こんなところにツリー?」
「クリスマスになると、置かれるみたい」
何組かのカップルもツリーを見上げたり写真を撮ったりしているから、割と有名な場所なのかもしれない。
「イルミネーションはこっち」
千紘が再び私の手を引き、ツリーの更に奥に向かうと、街の夜景が一面に広がっていた。
「大きいイルミネーションだ」
街全体を煌めかせる一面のイルミネーションに見惚れた。
寄り添ったカップルのシルエットがいくつか視界に入り、それはそれでロマンチックだった。

