千紘の車に乗り込むと、ご飯を食べることにしたが、クリスマスらしい場所は入れないだろうな、ということは一致した。
「あったかいのがいいな。あ、この辺にラーメン屋あるよ。結構好き」
「ラーメンでいいの?もう少しクリスマスに近づけられる店知ってるよ?」
「いいよ。千紘が来たからもうそれでいいんだ」
「俺が手を離せないこと、わかってて言ってる?今、抱きしめたい衝動で狂いそう」
「安全運転でお願いしますねー」
千紘の顔を見た瞬間、会えるだけで満たされたのは本当だ。
愛しい人が会いたい、とすぐに来てくれることがわかるだけで、心が満ち溢れていく。
クリスマス感ゼロのラーメン屋のテーブル席でそれぞれラーメンを注文する。
千紘とラーメン屋のアンマッチングさが可笑しくて笑ってしまった。
たまには、こんな楽しみ方も悪くは無いかもしれない、などとからかいたい衝動に駆られる。
ラーメンで冷えた体を温めていると、千紘が眉根を寄せていた。
「やっぱり、一つくらいクリスマスにあやかりたいなぁ」
「ケーキとか?チキン?まだ売ってるかな?」
「ラーメン食べながら更に食べ物?食欲旺盛だなぁ」
チキンはともかく、ケーキは別腹だから特に問題は無いのだけど、と思ったけれど口にはしないでおいた。

