「さて、まず菜那ちゃんの誕生日っていつだ?」


誕生日…。誕生日…?

「知らねぇ…。」


「…はぁ!?お前、今までお祝いしてこなかったのか!?」


胸に刺さるわぁ。



「してない。やばいよな…。」



あー、もうこんなんじゃダメなんだ。


バシッ!

「痛っ」


「智也?なんで叩くんだよ!」


そう、さっきの音は、智也が俺を殴る音。


「お前がめんどくさいから。聞いてこれば?誕生日。」


聞けたら聞くんだけどなぁ。


「最近、菜那のやつ、田中とよく喋ってるんだよ。俺、喋りかけれねぇ。」


田中 晴人(タナカ ハルト)、このクラスで1番賢い。


バスケ部のエースで、顔もカッコいい。(俺の次ぐらいに)



性格も爽やかで優しくて、紳士的。



はい、この説明からわかる通り、モテモテ野郎。



菜那は入学当初から、田中と仲が良い。


田中は、菜那のことが好きらしい。


菜那は鈍感だから、そんなことに気づかずに仲良くしてるけど…。