月がみていて

あの日で僕の人生は一変した。

「でも、どうなるか分からヘンよ。

それでもえぇねんな? 」

ようやく母が僕の目の高さまで

かがんでくれた。

「うん。」

僕の一途な目は母を動かした。

「仕方ないなぁ。さぁ、行こうかぁ? 」

その時の、母の手は強く、

温かかった。