月がみていて

京の和菓子・老舗の林屋

優秀で従順な孫息子は

大切な将来の担い手だ。

「お受験、そろそろ考えたほうが

えぇんやない? 」

祖母にとって僕は《自慢の孫》。

そして、祖父は多くを語らず

ただ見守っていてくれた。

そして、周りが僕の事を褒めちぎるものだから、

新しい父はやはり無口なままで。

「あんまり、頑張り過ぎるなよ。」

普段から、口数の少ない父の言葉に、癒された。